いつもブログをご覧いただきありがとうございます。年度末に近づくにつれ補助金シーズンも佳境に入ってきました。
今年度の国の補助金は申請要件に賃上げが絡むことが多く、事業者の中でもそこで躊躇される方が多かったのではないでしょうか。今回は東京都に事業所をお持ちの事業者様に「賃上げ必須要件無し」で申請可能な助成金を紹介させていただきます。
概要
紹介させていただくのが東京都中小企業振興公社より公募されている「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(小規模事業者向けアシストコース)」です。
コロナ禍からは景気は回復傾向にあると言われますが、売上がコロナ前の水準に戻っていない事業者様もいらっしゃいます。
こうした状況下で、既存事業を「深化・発展」させながら経営基盤を強化したい事業者様を支援する制度が本助成金です。
申請時期としては来年2月には第5回公募が予定されています。
後述しますが本助成金は「売上高が2023年以降の決算のいずれかと比べて減少していること」または「直近決算期で赤字を計上していること」が申請要件となっているためご注意ください。
助成内容
・助成限度額:200万円
・助成率:2/3以内(賃金引上げ計画達成で4/5以内)
・対象:製造業等は従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下
・対象経費
1)機械装置・工具器具費(製造機械、検査機器、金型等)
2)設備等導入費(設備・備品の購入費、搬入・据付費等)
3)システム等導入費(システムの構築・改修、ソフト購入、クラウドサービス利用等)
※単価が税抜10万円未満の物品、リース・レンタル、パソコンなどの汎用品、中古品は対象外
申請要件
1)業績(いずれか)
・直近決算期の売上高が、2023年決算期以降のいずれかと比較して減少していること
・直近決算期において損失を計上していること
つまり現時点で売上が下降中、または赤字の企業ではないと申請はできません。
2)事業者要件
・都内の小規模企業者等であること
※申請受付開始日時点で東京都内に登記簿上の本店がある場合、神奈川県、埼玉県、千葉県
群馬県、栃木県、茨城県、山梨県での事業実施が可能
例)本店が東京にあって、上記7県に工場を所有している場合などは東京以外での補助事業の実施可能となります。
3)重複申請の禁止
・本事業(小規模事業者向けアシストコース・一般コース)および「令和6年度新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」で、過去に交付決定を受けていない、または申請中でないこと
助成対象となる取組
1)既存事業の「深化」
既に営んでいる事業自体の質を高めるための取組
・既存製造工程を機械化するための機械装置、工作器具の導入(生産性向上)
・既存事業に関する高効率機器、省エネ設備の導入等(業務効率化)
・既存システムの改修(業務効率化)
2)既存事業の「発展」
既に営んでいる事業を基に、新たな事業展開を図る取組
・新商品の量産化に必要な機械装置、工作器具の導入(生産性向上)
・新商品の販売や新サービス提供に必要な設備導入(生産性向上)
・自社で使用する新システムの構築(業務効率化)
※対象外:事業内容との関連性が薄い取組、法令改正への対応など義務的な取組、単なる老朽設備の更新
申請スケジュール
第5回申請期間:令和8年2月2日(月)~2月13日(金)(予定)
※予定のため、東京都中小企業振興公社の公式サイトをご確認ください。
電子申請期間は上記ですが事業計画書の作成準備に時間が掛かるため、出来るだけ早めの準備がおすすめです。
賃金引上げ特例
本助成金は、賃金引上げ計画を達成することで助成率を引き上げることが可能です。
通常:2/3以内
特例適用:4/5以内
特例適用要件
1)給与等総額を2.0%以上増加
助成事業完了後1年間の従業員の給与等総額(賃金台帳に記載の給与支給額)を基準期間と比べて2.0%以上増加させること
※2024年4月〜2025年3月の12か月間で全従業員に支払った額を基準として、2.0%以上増加させることが必要です。
2)最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
本助成金は1回目に、通常の助成率(2/3以内)で算出された金額が支給されます。2回目は、賃金引上げ計画の達成確認後に特例助成率(4/5以内)で算出された助成金から1回目に交付された金額を差し引いた金額の特例助成金が支給されます。
そのため、仮に賃金引上げ計画を提出して未達に終わったとしても、助成金の返還を求められるわけではなく、単に上乗せ分が支給されない(通常枠の2/3は受け取れる)という形になります。
尚、賃金引上げ計画期間完了報告書を提出後に賃金引上げ後に、計画期間の常時使用する従業員の給与等総額が、基準期間のものより 2.0%以上増加させることができなかったことを公社が確認した場合、返還する場合がありますのでご注意ください。
まとめ
先述したように本助成事業は直近決算期の売上の減少、または損失(赤字)が申請要件となっています。
また、本制度は面接審査がなく書類審査となるため、比較的チャレンジしやすいものになっています。
小規模持続化補助金をご存じの方は、それと似たイメージを持っていただけると分かりやすいかもしれません。ただし、小規模持続化補助金が販路開拓や広報を中心とするのに対し、本助成金は設備投資やシステム導入による生産性向上・業務効率化がメインとなる点が大きな違いです。
同時期に「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)」の公募が予定されていますが、これについては次回のブログで書かせていただきます。
詳細は以下のURLより
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/shokibo-sokuo/index.html






