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今回は政府より発表された「最低賃金引き上げに伴う支援・後押しの強化」について重要な点をまとめさせていただきます。
この発表には補助金においての要件緩和や優遇措置についての情報が見受けられます。
特に今年10月より適用される最低賃金引き上げに関して悩んでいる事業者様にとってためになる内容です。まとめでは緩和内容に関する弊社の見解についても言及しているため、ぜひ最後までご覧ください。
賃上げ特例の条件緩和について
・ものづくり補助金と省力化補助金(一般型)
1)補助率アップについて
旧制度:「指定する一定期間までの間で3ヶ月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が、全従業員数の30%以上いること」
新制度:「指定する一定期間において、3ヶ月以上改定後の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いる事業者」
上記の要件を満たすことで通常より高い補助率(1/2から2/3に引上げ)が適用されます。
2)審査における加点
新加点1:「指定する一定期間において、改定後の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3ヶ月以上ある事業者」
省力化補助金一般型の4次公募では「2024年10月から2025年9月までの間」と期間が明確に定められています。
例として現在の最低賃金が1076円、改定後1140円の千葉県で想定してみます。その場合、2025年1月~3月の間に改定後の1140円に届かない時給で雇用している従業員が全体の30%以上いる場合、この加点が取得できます。
ものづくり補助金ではまだ公募要領が更新されていませんが、今後更新されると予想しています。
新加点2:「一定期間において、全国的な目安額(概ね63円)以上に事業場内の最低賃金を引き上げた事業者」
省力化補助金一般型の4次公募では「2025年7月と応募申請直近月の事業場内最低賃金を比較し、全国目安で示された額(63 円)以上の賃上げをした事業者」と記載されています。
例として先ほどと同様に千葉県で想定してみます。7月の事業場内最低賃金が1100円の場合、応募申請直近月である10月の事業所内最低賃金を1163円以上にした場合、この加点が取得できます。
ものづくり補助金ではまだ公募要領が更新されていませんが、今後更新されると予想しています。
新加点1は過去の賃金を参照した加点であるため、取得できるかは既に決まっています。
ただし新加点2は賃金改定後の応募申請を行う直近月を参照した加点になっており、全事業者が取得できる可能性を秘めた加点となっています。
しかしながら最低賃金を改定前に既に大幅に上回っており、賃金を引き上げる必要のない事業者様にとっては加点取得のハードルが高くなっています。
事業者様によっては両方の加点を取得できるケースもありますが、取得におけるコストと補助金額が見合わない場合もありますのでご注意ください。
・IT導入補助金
新加点1:「指定する一定期間において、改定後の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3ヶ月以上ある事業者」
新加点2:「一定期間において、全国的な目安額(概ね63円)以上に事業場内の最低賃金を引き上げた事業者」
今回公表された資料内ではものづくり補助金と省力化補助金の新加点と同じ記載になっていますが、資料内の改正前の内容においてIT導入補助金の公募要領との隔たりがあるため、この新加点が適用されるかは怪しいところとなっています。
現時点ではまだIT導入補助金の公募要領は更新されていません。
まとめ
今回の最低賃金引き上げは多くの事業者様にとって大きな負担と言えます。そのような事業者を支援するべく政府としても様々な施策を講じようとしています。
しかしながらこの要件緩和を紐解いてみると、そこまで大きな要件緩和ではないと思います。理由は以下になります。
今回の要件緩和を実際に数字上に起こしてみます。
改訂前の最低賃金時給が1000円の地域の場合、補助率アップの特例に該当する以前の要件は「時給1000〜1050円以内で雇っている従業員が全体の30%以上いること」でした。
それが今回の改定により「時給1063円未満で雇っている従業員が全体の30%以上いること」となりました。数字で表すと上限額が1050円から1062円になっただけであり現行制度との差額は僅か12円です。
弊社は継続して申請サポートを行っています。申請にご興味のある方はお問い合わせお待ちしております。
詳細は以下のPDFより
https://www.mhlw.go.jp/content/001558966.pdf
https://www.meti.go.jp/press/2025/09/20250909001/20250909001-1.pdf








